March 20, 2017

愚直に生きる

小学6年生の息子は、友達と遊んで来たり、少年野球の練習帰りに
ときどき、お菓子のゴミを大量に持ち帰ってくる。

理由を聞くと、
近頃、お菓子を先に食べ終わった子が後の子にゴミを押し付けて
輪を抜け、最後の子が全部持ち帰らされる...というのが流行って
いるらしいのだが、息子は、自分も後の子に押し付けるという
ことをしたくないので、そうなる度に、後の子の分も合わせて
全部のゴミを引き受けて、持ち帰ってきてしまうのだそうだ。

「こんなに持ち帰ってごめん」と謝った後、息子が尋ねてきた。

       「でも、これでいいんだよね?」



上手いことやった奴が得をして、真面目な奴が全部1人で背負込んで
損をすることが多い、今の時代。
世渡りの上手さとか、口の上手さとか、機転の良さがモノを言う。

あるいは、見て見ぬフリをしたり、誰かが苦しんでいても近づかない
ようにする判断も、子供の頃から繰り返される。
お家のお手伝い、っていう言葉にも、そういうモノが見え隠れする。


そんな大人になりたかったんだっけ?
もっと真っすぐに生きたかったんじゃなかったっけ?
もっと大切なモノがあったんじゃなかったっけ?

本来は、バカ正直で臨機応変さに欠けることを指す言葉ではあるけれど、
こんな時代だからこそ、
愚直で、いいんじゃないだろうか。


不器用で、いいんじゃないだろうか。
バカ正直で、いいんじゃないだろうか。
世間知らずの世渡り下手、口下手で、いいんじゃないだろうか。

ちょっとくらい損をしたって、
いつも他人より遠回りをしたって、
なかなか誰にも認めてもらえなくたって、

時には悲しい想いをすることがあったって、
悔しい想いをすることがあったって、
涙を流すことがあったって、

真っすぐに、
自分を飾ることなく、偽ることなく、
誰かを欺くことなく、裏切ることなく、

自分らしく、

愚直であって、いいんじゃないだろうか。


頭で考えて出す結論よりも、
感情に流されて出す結論よりも、

心で感じて
「本当はそうありたい」と想える自分に身を委ねて、

いつでも

真っすぐに。



。。。息子からの問いかけには、
「勿論さ。君のそういうところが、私の誇りなんだよ!」と答えた。