人間の“脳”が外界から受け取る情報量は「毎秒1100万ビット」という
膨大なものであるのに対して、私達の“意識”の処理能力は、わずか
「毎秒40ビット」の帯域幅しかないそうです。
したがって「意識」が何かをしようとするより先に、脳はその方向に
「無意識」に動き出し、私達は0.5秒遅れて、実際にそこで何が起きた
のかを「意識」するのだそうです。
しかし、脳はその0.5秒を事後的に「繰り上げて意識させる」仕組みに
なっており、そのことによって、私達は、さも自分の「意識」によって
物事が成されたかのような「錯覚」を起こさせられているのだそうです。
つまり、私達は自らの「意識」を「自分そのもの」と勘違いしていますが、
実は人間の行動を決定しているのは「意識」ではなく「無意識」なのです。
「意識」は「自分」を適切にコントロールできない上、情報を適切に解析
することも、「自分」を完全に知ることもできないのです。
しかし、「意識」によって学習と経験を重ねることによって、より適切に
「無意識」が働くように訓練をすることはできます。
そして、「無意識」が「自分」の望むとおりに働いてくれると、「自分」は
安心して身を委ねることができる訳です。
ユーザーイリュージョン ―意識という幻想―(原著/Tor Norretranders)
という本に、上記のような内容の説明がなされていました。
(500ページ以上ある本なので、かなり短縮して紹介しましたが)
「意識」によって「無意識」を訓練する(方向付けする)こと。
それはとりもなおさず 『生き方とあり方を決めること』 に他なりません。
どんなにささやかでもいいから、志を持つことです。
本当はどんな生き方をしたいのか。
本当はどんな自分でありたいのか。
今はダメでも、3年後にはどんな自分になっていたいのか。
何度も何度も、長い時間をかけて自分の「無意識」にそれを覚えこませる
ことによってのみ、自分の「現実」が「理想」とつながっていくのです。
そしてその時初めて、安心して自分に自分の身を委ねられる人生を得る
ことができるのです。
あなたは、どんな自分でありたいのでしょうか。