November 21, 2011

言葉の力

電通の元社長で、日本広告業協会会長などを務めた
成田豊さんが11月20日に死去しました。

今さら説明の必要などいらない偉人ですが、かつて
ドロップアウトした1人の若者の夢に耳を傾け、可能性
を信じて拾い育ててくださった御恩は忘れません。

たくさんのことを教えていただきました。
まだ道半ばですが、これからも生涯忘れません。

ご冥福をお祈りいたします。



中学に入学してすぐに、何か部活動をやろうと思って
ひととおり全部の運動部を見学してまわった。

小学校からの同級生と一緒に2人でまわったのだが、
まわった中で1人、とても印象に残った先輩がいた。

3年生の澤田先輩。

彼は、僕が見学兼球拾いとして拾った球を放り返す度に
「ありがとう」「サンキュー」と必ず声をかけてくれた。
片づけを手伝った時も、丁寧に教えてくれて、やっぱり
「ありがとう」と言ってくれた。

どこの部でも、準備や片付けや掃除などを手伝う場面が
あったのだが、その行為に対してちゃんとお礼やねぎらい
の言葉をかけてくれたのは、彼だけだったのだ。

見学して気づいたのは、「競技をやりたい」という気持ち
以上に、「こういう人になりたい」と思った自分がそこに
いたこと。
どんな相手も分け隔てなく、人として接することができる人、
ささいなことでもその場でお礼を言える人、人を認めること
ができる人。 そういう人に自分もなりたいと思った。

入部してからも、完全初心者の僕に1つ1つ丁寧に教えて
くれた先輩のことを尊敬して、高校入試では最初から
澤田先輩が通っている高校以外に見向きもせずに受験。

大好きな先輩に早く会いたくて、また先輩に教えてほしくて、
いてもたってもいられず、入学式の翌日からすぐに先輩の
もとへ走った。

覚えが遅いくせに生意気で、今思えばかなり面倒くさい
後輩だったと思うけれど、澤田先輩は一度もキレることなく、
いつも笑顔で指導してくださり、卒業してからも、何度も
飲みに連れていってもらうなど、面倒をみてくださった。

先輩のたった一言「ありがとう」は、確実に僕の人生を
変えてくれました。


疲れている時、何かがうまくいっていない時・・・、つい、
相手が家族だから、子どもだから、年下だから、親しい間柄
だからと、そのたった一言に注意を怠ってはいけない。

言葉は時として人の人生を変えてしまうほどの力を持っている。

だからこそ、
どんな時でも、誰に対してでも、まっすぐに向き合って言葉を
発する必要がある。
目の前にいる人の未来と可能性を軽んじてはいけないのだ。


ありがとう。

先輩には、いつかまたお会いして、たくさんお礼を言いたい。  



  



Posted by exceedblog at 18:15clip!想いを込めて 
November 05, 2011

エクスチェンジ・ファクター

一般に、ビジネス書やセミナーなどでは、ポジティブ・シンキング
の重要性を刷り込まれます。

勿論、ネガティブ・シンキングからは何も生まれないので、物事を
ポジティブにとらえる習慣を持つことは極めて重要と言えます。

でも、本当にめざすところへ行き着くためには、本当の想いを
果たすためには、実はネガティブ・シンキングも必要なのです。


全てが思い通りにいけば良いのですが、何事も、なかなかそうは
うまくいきません。 必ずと言っていいほど、何か問題が生じたり、
計算違いが起きたり、壁にぶつかったりします。

その、思い通りにいかなかった時に、どうするか。
どうもできなければ、どうなるのか。

教科書のようなビジネス書やセミナーが、実践に活かしきれない
理由は、ここにあります。


もし事前に、思い通りにいかないかもしれない、というネガティブ
シンキングをしていたら。
そして、
もしそうなったら、そこから軌道修正して事態を好転させるには
どうしたらいいかを想定検討していたら。

「ネガティブな状況」から「ポジティブな状態」へ転換させる一手。
「エクスチェンジ・ファクター」を事前に見出して準備していたら。


先日亡くなったジョブズ氏は、名スピーカーとして有名でしたが、
iPhoneやiPadなど大きなプレゼンの時には、必ず前日から会場
を借りて、万が一プレゼンの最中にパワーポイントがフリーズした
場合のアドリブまで、入念なリハーサルを行なっていたそうです。

したがって、もしもジョブズ氏のプレゼン中にトラブルがあったら、
きっと難なくその場を乗り切り、ますます株を上げていたのでしょう。


備えあれば憂いなし、と言いますが、
もしNo.1商材が売れなくなったら、No.1営業マンがいなくなったら、
予定の集客が成されなかったら、もし業績が半減したら・・・。

それは決してありえないことではないのです。


事前に「エクスチェンジ・ファクター」を見出し準備しておくことが、
ブレイクスルーを手にするためには必要不可欠です。  


  



Posted by exceedblog at 23:58clip!ビジネス・成功