持ち合わせていないものや足りないものを数え始めると、
自分のことがとっても駄目な奴に思えてきて、悲しくなる。
変えようの無い過去を振り返っては後悔し、誰を見ても
自分と比べては溜息をついていると、涙がこぼれてくる。
生きている価値さえ見出せなくなってきて、いっそのこと
生まれてこなければ良かったとさえ思えてくる。
でも、たった一言、心からの「ありがとう」を言われたら、
こんな自分でも人の役に立てるのだ、存在を許され認め
られ、感謝してもらえるのだとわかったら、
また頑張れる。
立ち上がれる。
歩き出せる。
明日に希望を持つことができる。
素晴らしい才能や容姿などは持ち合わせていなくても、
立派な実績や人格や品格を持ち合わせていなくても、
素敵な言葉が何ひとつ出てこなくても、
否、一切の言葉を発することさえできなかったとしても、
生まれてきてくれてありがとう。
今ここにいてくれてありがとう。
を表現することさえできたなら、伝えることさえできるなら、
一番大事なものは、既にそこにある。
一番大切なことは、いつでも出来る。
「目の前の扉が閉じている」のではなくて、
「私はカギを手にして扉の前にいるのだ」と気付くこと。
そしてそのことを、大切な人に気付いてもらうこと。
顔を上げて、目に見えないけれど確かにそこに存在している
歓びと幸せを、瞬きさえ忘れてまっすぐに見てください。
走れない理由も、走らない理由も、そこにはありません。
そのままのあなたで大丈夫。
大切なタスキを自分の手で手渡すために。
走り出すのに、今より最適なタイミングなど存在しないのです。