子供を後押しする。 お客様を後押しする。 誰かの背中を押す。
それは優しさによる素敵な行為に見えるけど、
でも、
足がすくんでいる人にとっては、踏み出す勇気や自信を持てない人
にとっては、今はちょっとだけ休みたいと思っている人にとっては、
力強く押すほど、つまずかせてよろけさせてしまうことになる。
不安定にさせて、ますます委縮させてしまうことになる。
「決めつけられた」「押し付けられた」「誰も自分をわかってくれない」
...優しさを押し付けると、それは時として暴力にもなる。
背中を押すんじゃなくて、
目の前にカタチとしてある背中じゃなくて、
そこに手を添えることで、その胸の内を感じとって、察して、受けとめて、
そして、想いを込めて、その先を信じて、自分の体温を伝えながら、
相手のココロをそっと後押しする。
一見同じように見えるコトでも、
やっているコトの本質は、全く別のものだ。
今の時代は、とにかく情報が溢れかえっている。
子供が行き詰まっている時、親としてどう接するべきか、何を伝えるべきか、
どうやって問題を解決すべきか、どんな方法・対策・知恵を授けるべきか。。。
そんなものばかりが溢れかえっている。
みんな、立派な親になれなくて苦しい。
みんな、立派な子になれなくて苦しい。
みんな、立派な人になれなくて苦しい。
本当は、
どんな知恵を授けるより、どんな優しさを与えるより、どんな正論を伝えるよりも、
黙って話を全部聞いてあげて、気持ちを全部吐き出させてあげて、
その間、ずっと、手をギュッと握り続けてあげて、背中をさすってあげて、
私をちゃんとわかってくれている。
私をちゃんと認めてくれている。
私はこんなに信頼されている。
私はとても愛されている。
って、一番大切な感情をココロの中に湧き上がらせてあげることこそが、
一番大事なんだと思う。
「がんばれ!」って百万回言うよりも、
たった1回、本人の心の中で「がんばろう!」って気持ちを湧き上がらせる
ことをしなければ、人はどこへも進めない。
子育てでも、部下指導でも、その本質は同じはずだし、
お客様にはまさにそれこそを売るべきだ。
親として、
ビジネスパーソンとして、
上司として、
社長として、
サービス提供者として、
どこを見ているのか。
何を看ているのか。
何をしているのか。
何を売っているのか。
握った手の震えや汗や冷たさを感じとって、背中に添えた手から胸の内の
弱さや恐れや辛さを察して、でも本当は...っていう心底の気持ちを汲み取って、
大切な人の一番大切なものを、心から大切にして、寄り添い、支え、後押しする。
気の利いた言葉をかけることなんかできなくてもいいから、
素敵な笑顔で微笑んであげることなんかできなくていいから、
立派な何かを指し示すことなんかできなくていいから、
自信や説得力なんかカケラもなくたって構わないから、
大切な人を、愛する人を、
いつでも一番大切なもので抱きしめてあげられるようでありたい。
エンゲージメント。。。絆を育む。 エゴでないエヴァの愛。
何があっても、それが無ければ、すべてが枯渇してしまう。
何もなくても、それさえあれば、どこからでも生き返って来れる。
大切な人に、愛する人に、それを今日も手渡すことが、今日という日の自分の役割。