April 07, 2006

看脚下

この言葉は、禅の有名な言葉。

五祖法演禅師が三人の弟子と寺へ帰る途中、提灯の灯が当然の疾風で消えて
しまったのだが、その時に法演は「暗夜で何より頼りになる灯が消えたこと
の意味・そこから人生の何を悟ったか」を弟子達に尋ねた。

そこで3人目の弟子の仏果圜悟が答えたのが「看脚下」

足もとをよく見なさい、という平凡な言葉だが、灯が消えたことで戸惑い、
不安に思う今こそ、あらためて自分がどこに立ち、どこへ向けて歩を進めて
いこうとしているのかを再確認することが必要で、それがまさに禅であり、
日常の豊かな生活もそこから始まる。

つまり、禅の教えである「心に灯をともしなさい」である、と解いた。


             看脚下 = 心に灯を


22歳の時にこの言葉に出会い、私のそれまでの価値観は大きく変わった。

上手くいかない時、苦しい時、流されている時、迷った時・・・、つい目先の
目に見えるものに頼ってしまい、もっと大切な目に見えないものを見失って
しまいがちだが、本当に苦しい時には『心に灯をともして足元を見る』。


             止観・内観、である。


それができない限りは、結局、足元につまづき、向かうべきところを見失う。

いつ何時でも、心に灯をともして歩を進めていきたい。