June 04, 2006

時間には限りがある

小学校4年生の時、それまで親友だったアツシ君が白血病で死んだ。
このことは、自分の人生において、ものすごく大きく影響している。


3年生の頃から頻繁に学校を休むようになって、それ以降はずっと
入退院を繰り返し、薬の副作用で別人のようになったアツシ君は、
その日、2ヶ月程の長い入院後、久方ぶりに登校してきた。

嬉しくて、休み時間になったらスグにアツシ君と遊んだ。ちょうど
時代はヨーヨーブームで、彼は長い入院期間、毎日ヨーヨーばかり
やっていたそうで、かなりの腕前になっていた。

次の休み時間、「その技を教えてくれ」と、クラスのみんなが彼を
囲んでしまい、一緒に遊べなかったことがつまらなくて、つい、
ちょっかいを出してしまって、アツシ君と口論になってしまった。

次の休み時間、謝ろうと思ったのだけど、ちょっと素直になれなくて
つい、謝りそびれてしまった。

給食の時間になって謝ろうと思ったら、アツシ君が見当たらない。
「どうしたんだろう?」と考えながら給食を食べていた時、何気なく
窓の外を見ると、祖母に手を引かれて校門を出て行くアツシ君の
姿が見えた。

(・・・そうか。まだ体力が続かないから、今日は午前中で帰るんだ)
「しかたない。明日、謝ろう」

でも、その明日は来なかった。
彼はそのまま入院してしまい、その2週間後に死んでしまった。
だから、とうとう彼には「ごめんなさい」を言うことができなかった。


  時間には限りがある。 自分にも、相手にも。

  伝えたいことは、今、伝えなくっちゃいけない。
  相手への感謝も、今、伝えなくっちゃいけない。
  やるべきことは、今、やらなくっちゃいけない。
  大切な人は、今、大切にしなくっちゃいけない。



このことが、自分にとって最大のパラダイムシフトであり、それ以降の
すべての判断基準になっている。
 
 
        >> 最後だとわかっていたなら