August 07, 2007

存在意義 ・ 存在理由

某国の収容所では、新たに収容された凶悪犯罪者達に対して、
最初の1週間に、ある労働をさせるそうです。

  ただひたすら穴を掘らせる。
   また埋めて元通りにさせる。

     ただひたすら穴を掘らせる。
      また埋めて元通りにさせる。

・・・この、何の意味もない労働を1週間繰り返させると、彼らは
存在理由を見失い、自信を無くし、無気力で従順な服役囚と
なるそうです。


人が生きていく上で、どんな苦難をも乗り越えていける原動力
とは、まさに「自分の存在意義存在理由」であり、そしてそれ
を見出すことで抱く、強い使命感・誇り・自信・エネルギーです。

貢献という言葉は、もしかすると、誰かの役に立つことによって
限りある時間の中で、“自分の生きた足跡を残したい”“自分は
ここにいるよ、頑張っているんだよ”って、認められたいだけの
ことなのかもしれません。

でも、だからこそ、その存在意義を見出したものへ向かう姿勢に
「誰かとの争い」や「勝ち負け」を介入させてはいけない


もし、「あなたと出会えて本当に良かった」と心から感謝した人が、
あなたの心に潜む“恨み”や“憎しみ”を垣間見てしまったなら、
それまでの全ての行ないは意味を失ってしまいます。
あなたが本当に見ていた相手が実は自分ではなくて、許せない
誰かだったことに気付いたなら、きっとあなたのことが、とても醜く
そして小さくて可哀そうな存在に見えることでしょう。


例えば、自己実現に向けて全力を注いでいる人がいたとして、
でも彼には“絶対に許せない”人がいたとしたら、彼はそのまま
真っ直ぐに自己実現を成し、その相手を見返すのでしょうか?

自己実現を成した彼は、その相手を見返したりしないはずです。
もっと正確に言えば、見返そうなんていう気持ちどころか、その
存在があったことで今の自分がいる、ということに感謝の気持ち
すら持っている。 そんな心境だからこそ、全ての物事に感謝を
しているからこそ、成し遂げるのです。


  あなたは、本当はどんな幸せを手に入れたいのですか?
  あなたは、本当はどんな生き方をしたいのですか?

世界に唯一の、あなたの存在意義存在理由には、これ以外の
要素はカケラも必要ありません。
必要ないものが混在しているから、真っ直ぐ向かえないのです。


「あなたと出会えて本当に良かった」と、何人に対して言えるか。
「あなたと出会えて本当に良かった」と、何人が言ってくれるか。
あなたの意識を、心のベクトルを、そこに向けてほしいのです。

そして何より、いつでもあなたが
「あなたと出会えて本当に良かった」と、心から自分自身とHUG
できるあなたであってほしい、と思うのです。


あなたは今、間違いなくそこに存在していて、これから先の人生で
あなたが大切に思う人達に、心から感謝されるのですから。


          言葉にできない / 小田和正