March 31, 2012

ポテンシャルを信じて

街角でベビーカーを押すお母さんや、子どもの手を引く
お母さんがいると、つい子どもの顔をのぞき込む。

寝顔だったり、笑顔だったり、泣き顔だったり、時には
ふくれっ面だったりする知らない子どもたちの姿を見て、
ちょっと笑みがこぼれたり、優しい気持ちになれたり、
すべての物事に感謝したい気持ちになれる。


人は誰でも、ボーダーラインを持っている。
それは、ルールと言い換えられるのかもしれない。

ここまでは許すけれど、ここからは許せない。
これはOKだけど、ここがこうなったら絶対にNG。

そんな自分のボーダーラインは、年齢を重ねる度に、
少しずつ変化していく。


昔は、電車やエレベーターでは「降りる人が先」だと
思っていたのに、毎日疲れて、いつの間にか、いつも
自分が先になってしまったり。

昔は、仲良くなりたかったら自分から相手を信じた
のに、いつの間にか、自分を信じてくれる人しか信じ
られなくなってしまったり。

いつもは相手のことを真っ先に考えてあげられるのに、
それを重ねて自分が辛くなってくると、つい自分の
ことが最優先になってしまったり。


いつでも、いつまでも、そのままの自分でいることは
難しいかもしれない。 余裕がないかもしれない。

でも、子どもの顔を見ていると、ほんの数秒間だけは
昔のままの自分に戻っていたりする。

もしかすると、本当に戻れなくなったんじゃなくて、
戻らない言い訳をしているだけなのかもしれない。


今を生きる大人たちが、ほんのちょっぴりずつでいいから、
昔の自分に戻れる時間を長くできたら、ありのままの
本当の自分を生きる時間を長くできたら、世の中は
劇的に変わるのかもしれない。

苦しいことや辛いことを我慢して、頑張り続けることは、
それはそれで大事なのかもしれないけれど、大人であり
続けることも大事なのかもしれないけれど、でも、
ターニングポイントは、考えて選んで進むより、心で感じて
進む方が、いつでも正解に辿り着く。


明日は今日より1分でいいから、ありのままの自分でいられる
ように、そのままの自分を生きられるように。
それを、ほんのちょっとずつ長くしていけるように。


見知らぬ子どもを愛しめる気持ちがある限り、世の中は
まだ捨てたもんじゃない、と思う。

そのポテンシャルを信じていきたい。