April 07, 2013

はだかの天使

はだかの天使<はだかの天使>

乳児期の高熱が原因で後遺症が残り、
特別支援学級の新1年生になった弟を
もつ、4年生のお姉ちゃんが、悩んだり
苦労しながら、子どもの目線で福祉の
問題と向き合い、親・先生・クラスメイト・
特別支援学級の子たちのと間で、少し
ずつ成長していく物語・・・1969年出版。

小学3年生の頃、この本を何度も読み、
子どもながらに「社会的擁護」「福祉」を
考え始め、それ以降、事あるごとに、
どうすればもっと世の中が素敵になるか、
自分に何ができるかを考えました。


その本が、ご縁があってまた手元にやってきたので、明後日から新学年になる子ども達に
早々に寝る支度を済まさせて、寝室で読み聞かせをしました。

途中、「お姉さんは、何が悔しかったんだろう?」「お母さんは、どんな気持ちなんだろう?」
と、子ども達とディスカッションしながら、ちょうど就寝時間に読み終えることができました。

幸いなことに、この子たちは、彼らの見せる「無垢」の素晴らしさを知っています。
だから、前の学校でも、今の学校でも、特別支援学級の子ども達ととても仲良くしています。
でも、まだ子どもだから、
その親が抱えている心労を知らないし、社会が抱える問題も知りません。

いろいろと教えてしまいたくなる気持ちを抑えて、結局、何も結論を出さず、結論を与えずに
寝かせたのですが、きっといつか、自分で、自分らしい答えを見つけてくれると思いますし、
子ども達の寝顔を眺めていると、そう確信することができます。



空が青いのは海の青さが反射しているからだそうだけど、

曇りの日も雨の日も、たとえ目に映る世界はさえなくたって

本当は、海はいつだって青い。


いつでも想いの源泉にふれている自分であること。

何を見るか、どこに立つか、自分がどうあるか、次第で、

本当の 昨日の価値、今日の意味、明日の希望、が見えてくる。



この本が書かれた時代と比べて、今では様々なケアや養護の仕組みがカタチとしてある
ものの、本質的な問題は解決しているのか、それは心で寄り添っているのか、と考えた時、
まだ依然として不充分であり、世の中はより冷たく空虚な「闇」を抱えた時代になっている
ようにさえ思います。