7年前、某業界の会社を経営していた頃、ある出版社から、1本の
営業電話がかかってきました。
「新しい月刊誌を発行するので、広告を出稿しませんか?」
?通常は広告代理店を使うのに、出版社自ら電話してくる
ということは、雑誌の体制そのものが出来上がっていない。
?この業界は2大雑誌がシェアを占めているため、毎年新規
参入する雑誌はあるが、まず売れたためしがない。
?新たな広告費の捻出投入については慎重に検討したい。
という判断から、電話を切ろうと思った瞬間、ふと思いました。
自分の立場から見れば、
「広告を買う(出す)価値があるかどうか」という話だけれど、
この営業マンの立場から見ると、
「広告を取りたい、認められる結果を出したい」という話だし、
この会社の立場から見ると、
「売上が欲しい、出版で成功したい」・・・という話である訳です。
そこで、「広告は出さないけれど、どうすれば本が売れるかを
一緒に考えるから、一度、上司の方を連れていらっしゃい」と
提案してみました。
その後、どうなったか。
・出版社とアドバイザリー契約
・カラー1ページ、白黒1ページの広告を2ヶ月分無料で獲得
・その雑誌で私の連載執筆記事(毎月3ページ)がスタート
そして、半年後。
・雑誌売上は2大誌をいっきに追い越し、業界1位の部数獲得
・雑誌タイアップで発行した写真集の売上が史上1位を獲得
・執筆記事が書籍化され、紀伊国屋の週間ベストセラー獲得
これはちょっと上手く行きすぎた話ですが、実はこの手の話は
決して特別な事例ではなく、過去に何度もあります。
よく「営業マンとビジネスマンの違い」について話します。
営業マン
「売りたい、という自分の立場でしか話ができない人」
ビジネスマン
「相手の立場になって、自分に何ができるかを考えて話せる人」
これは、自分がお客様や取引先様とコミュニケーションを交わす
際のこと全てを指している話であり、自分が売る側である場合に
限ったことではないのです。
受身の立場の時、買う側の立場の時にも、ビジネスマンとして、
相手の立場に立った思考で物事と向き合えることが大事なのです。
成功の4つのC
chance そこにチャンスがあることに、まず気付くこと
choice そのチャンスに挑むという選択をすること
challenge 挑み、貫くこと
change すべてが変わる
あきらめなかった話
ある小さな店に、雇われ歌手の女性がいました。
彼女は、いつか大きなステージで歌える歌手になって、成功する
ことを夢みていました。
ある日、大手レコード会社の社長が店に来ることになりました。
予約時間の出番が自分であったことから、どれほど期待に胸を
膨らませたか。
しかし運命は皮肉なもので、その来店時間は大幅に遅れてしまい、
レコード会社の社長が来店した時には、彼女の出番はすっかり
終わっていました。
それでも彼女は、食事が終わって帰路に着く社長の車を追いかけ、
1本のデモテープを渡しました。
その後、カーステレオでテープを聴いた社長は、その素晴らしい
歌声に車をターンさせて店へ戻り、そこでメジャーデビュー契約
が交わされ、そして、彼女の夢はかなったのでした。
これは、マライヤ・キャリーのとても有名なエピソードです。
諦めないことが大事だよ、踏み出す勇気が大事だよ、っていう話
として、よく聞きます。
でも、この話で一番大事なところは、
いつでもそこにチャンスがあった時のために、マライヤは
デモテープを作って、いつも持ち歩いていたこと。
ここに気付けないと、本当の意味での自分事にはならないのです。
チャンスは、いつでもそこにあります。
ただ、少しだけわかりづらい見え方をしている場合が多いのです。
最初からチャンスの姿をしているチャンスは、実は、つかめない。
チャンスの姿をしていないものの中に、本当のチャンスがある。
相手の立場になって、自分に何ができるかを考えた時、実は
「トリプルWin」のチャンスがそこにあることに気付けます。
成功の第1歩は、そこにチャンスがあることに、まず気付くこと。